

( 左から、高邑衆議院議員、柴橋衆議院議員、金子参議院議員、中津川、松原衆議院議員、神風衆議院議員、石関衆議院議員、長尾衆議院議員、空本衆議院議員、向山衆議院議員。 )
那覇地検による中国人船長釈放問題についての緊急声明
平成22年9月27日
民主党国会議員有志
24日夕刻にわれわれは「釈放の決定を撤回し、あくまでも法と証拠にもとづき継続的な捜査の実施を求めるものである。」と声明を発した。それにも関わらず、那覇地方検察庁は独自の判断によるものとして中国人船長を釈放した。
尖閣諸島がわが国固有の領土であることは疑いがなく、かつわが国は永年にわたって実効支配を行っており、そもそも領土問題は存在しない。こうしたことを踏まえると、今回の事件の処分にあたり、他国からの発言や行動を考慮に入れる必要は法理上一切ない。
今回、中国人船長が「処分保留」で釈放されたことによってこの件の捜査は実質的に中断され、近い将来「不起訴」となることが予想される。しかし、容疑者の身柄を拘束し、その上で勾留を延長したということは、容疑者にそれ相応の違法行為があったと検察が判断し、刑事訴訟法第208条の「やむを得ない事由があると認め」たことによるはずである。にも関わらず、「国民への影響や今後の日中関係も考慮すると、これ以上容疑者の身柄拘束を継続して操作を続けることは相当ではないと判断し(鈴木那覇地検次席検事)」、急遽釈放するという那覇地検の判断は、刑事訴訟法第248条の「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。」とある要件に該当せず、法理的には適当ではない。
すなわち、外交問題を一つの理由とする今回の判断は、刑事訴訟法の範疇を超える政治的判断であり、検察の権限を大きく逸脱した極めて遺憾な判断といわざるを得ない。このような決断が検察庁の独断によって行なわれることは、国民が選んだ政治家が国益を踏まえた政治的・外交的決断を行なうという、わが国の議会制民主主義の原則を大きく揺るがすものである。
われわれ民主党国会議員有志は「処分を保留し釈放」の判断を下したことに強く抗議すると同時に、今後、尖閣諸島近辺でのわが国の漁船などの船舶の安全、諸資源の確保に万全を期すための諸制度・法律の構築をめざす。もとより中華人民共和国からの謝罪と賠償の要求は言語道断であり、「一切応じない」という政府の判断を強く支持する。その上で、立法府に与えられたあらゆる権限を駆使して、真相の究明ならびにわが国の国益にそったあらゆる対応を今後行う決意である。
(以上)
賛同民主党国会議員有志一覧
平成22年9月27日現在
中津川 博郷 |
小宮山 泰子 |
石井登志郎 |
石山 敬貴 |
玉木 雄一郎 |
米長晴信 |
畑 浩治 |
若泉 征三 |
石井 章 |
斎藤 やすのり |
川口 浩 |
谷田川 元 |
石森 久嗣 |
中野渡 詔子 |
豊田潤多郎 |
高邑 勉 |
石原 洋三郎 |
外山 斎 |
今井 雅人 |
牧 義夫 |
大久保潔重 |
空本 誠喜 |
若井 康彦 |
舟山やすえ |
木内 孝胤 |
皆吉 稲生 |
友近聡朗 |
木村 たけつか |
勝又 恒一郎 |
行田邦子 |
村上 史好 |
網屋 信介 |
安井美紗子 |
渡辺 義彦 |
高橋 英行 |
大石尚子 |
柳田 和己 |
本村 賢太郎 |
河合孝典 |
向山 好一 |
松岡 広隆 |
水戸将史 |
福島 伸享 |
福嶋 健一郎 |
打越あかし |
柴橋 正直 |
大谷 啓 |
梶原康弘 |
花咲 宏基 |
宮崎 岳志 |
川内博史 |
長尾 敬 |
仁木 博文 |
平山泰朗 |
石関 貴史 |
神山 洋介 |
岡本英子 |
松原 仁 |
山本 剛正 |
高松和夫 |
金子 洋一 |
柿沼正明 |
小林正枝 |
福田 昭夫 |
萩原 仁 |
近藤和也 |
神風 英男 |
太田和美 |
吉田公一 |
中野 譲 |
和嶋未希 |
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加藤 学 |
山岡達丸 |
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計 73名 |
順不同
平成22年9月27日
今回の事案がわが国の国益に与える影響と対応について
民主党国会議員有志 中津川 博郷
松原 仁
神風 英男
石関 貴史
米長 晴信
木村 剛司
空本 誠喜
柴橋 正直
高邑 勉
長尾 敬
福島 伸享
金子 洋一
1. 今回の決定は、米国、韓国等のメディアの報道にみられるように、国際社会において日本の敗北と位置づけられており、このことによる今後のわが国外交の権威の失墜は耐えがたいものである。
2. また、祖国の主権を隣国に蹂躙されたという国民の思いは、これまで国交回復以降40年近くかけて築き上げてきた日中友好の精神を一気に冷却化させるととともに、政権に対する期待を大きく裏切るものとなっている。
3. 同時に、中華人民共和国と南シナ海をはじめとする領有権の問題を抱える東南アジア諸国の日本に対する失望感は大きく、また自国の安全保障をより一層米国に依存せざるを得ない姿を晒したことは、今後のわが国のアジア外交においての権威を著しく失墜させるものである。
4. こうしたわが国の危機的状況を打開するために、次のような対応をとることを強く求めるものである。
① 中国によるレアアースの禁輸についての事実関係や、中国国内におけるさまざまな邦人・企業に対する行為の事実関係について、直接責任ある丹羽大使から聴取する。
② 海上保安庁に対する中国漁船への不法行為を撮影したビデオをただちに公開し、東南アジア諸国をはじめとする国際世論を喚起する。
③ ガス田「白樺」の掘削の事実を早急に調査し、国際約束に反する事実が見受けられた場合、新たに搬入した機材の撤去を求めるなどあらゆる措置を講じる。
④ わが国への領海侵犯、漁業資源・鉱物資源等の不法取得等に対して迅速かつ実効的に対応するために必要な法制度・態勢を整備する。
⑤ 尖閣諸島に自衛隊を常駐させるとともに、漁業中継基地などの経済的拠点を構築することを検討する。
(以上)